祖母の死に立ち会った日のこと
- 2012年11月08日
こんにちは。
相続税専門税理士の井川です。
先週の10月31日、祖母(夫の母方)が87歳で天国へと旅立ちました。
その前日に、体の調子がちょっとおかしいということで、急きょ入院した祖母。
「会える人はあっておいてください…。」
31日の朝、医師の知らせを受け、仕事をキャンセルして急いで駆けつけました。
そこにはICUに入り、酸素マスクをつけ、肩を上下させながら必死に呼吸をしている祖母の姿が…。身体はたくさんの管につながれています。
目を閉じたまま何も反応はありません。
苦しそうな姿にショックで思わず涙がこみあげてきまいました。
でも、おばあちゃんがこんなに必死で頑張っているのに私なんかが涙をみせてはいけない…。
祖母の肩をさすり、手を握り、冷たくなった足の裏を両手で温め、
明るい笑顔で、明るい声で、
「おばあちゃんそばについとるからね!」
「おばあちゃん頑張ってね!」
補聴器をつけた耳元に向かって声をかけ続けました。
私の頭の中は「尊い」という言葉でいっぱいでした。
そんな呼びかけがおばあちゃんに届いているかどうかはわかりませんでしたが、
孫である私の夫は、おばあちゃんの顔を覗き込み、表情を確認して、
「うん(^^)聞こえとるね(^^)よかったよかった(^^)聞こえとるのわかったよ。おばあちゃん無理に反応しなくていいよ。ゆっくりしてね(^^)」
とおばあちゃんに伝えていました。
かすかに瞼が動いたような気はするけど、
「夫はどうしてわかるんだろう??」
不思議に思っていました。
あとで尋ねると、
「おばあちゃんが分かっているかどうかわからんかったけど、もし聞こえていた場合、意思表示をしたくてもできないおばあちゃんがつらいだろうなと思って…。おばあちゃんの気持ちがきちんと伝わっているように振る舞ってたんよ。」と答えました。
私自身そこまで思いが回らなかったので、「なるほど。さすが夫よ。」と深く感動しました。
◆
ちょうど一週間前には、祖母の自宅で曾孫の誕生日パーティーをしました。
祖母もおしゃれをし、全員で記念写真をとり、楽しいひと時を過ごしました。
その少し前にも、私達夫婦が遊びにくるということで、雨の中、手押し車を押し、わざわざ果物を買ってきてくれたおばあちゃん…。
今、目の前で起きていることが信じられません…。
どんなに体がつらくても、いつも満面の笑顔でお話ししてくれ、帰り際には「ありがとうね(^^)」と何度も言ってくれるおばあちゃん。
私も将来、おばあちゃんのような素敵なおばあちゃんになりたい…。
◆
15時ごろ、孫である主人が、ずっと閉じているおばあちゃんの瞼をそっと開きました。
おばあちゃんの目はその後、薄ら開いたり閉じたりするようになりましたが、焦点は合っていないように感じました。
病院にかけつけてから8時間たったとき、おばあちゃんの目がしっかりと見開いたんです。
おばあちゃんに顔をみてもらいたくて、みんなで順番におばあちゃんに声をかけながら顔を接近させました。
すると、その時は突然きました。
心電図がゼロになり、反応しなくなりました。
私は何が起こったのかわかりませんでした…。
主治医や看護婦さんが駆けつけてくださる様子をみて、すぐに状況が把握できました。
「おばあちゃんありがとう!!」「おばあちゃんありがとう!!」
何度も何度も繰り返し言いました。
おばあちゃんに声が届いていることを信じて…。
大好きなおばあちゃんが天国に旅立ってさみしいけど、祖母が大好きでたまらないおじいちゃんと天国で再会できていると思うと、なんだかロマンチックな気がします。
おばあちゃんのそれまでの苦しい表情は一転し、赤ちゃんのようななんとも可愛らしい表情に変わりました。いつまでもそばで眺めていたいほどラブリーでした。
おばあちゃん、たくさんのたくさんの愛をありがとうございました。
私がおばあちゃんから注いでいただいたたくさんの愛情、おばあちゃんにこれからも注ぎたかった愛を、残されたみんなや、周囲の人、これからお目にかかる皆様に注いでいきます。
おばあちゃんは永遠に大きな存在です。
これからもどうか私たちのことを天国から見守っていてください。
また天国で再会できることを祈って…。
最後になりましたが、
あたたかく献身的に精一杯、心をつくしてくださった医療関係の皆様。
細かい要望をきいてくださり祖母の思い通りの心にのこる素晴らしいお葬式を、細やかなお心配りをもって手掛けてくださった典礼会館の皆様。
心より厚くお礼申し上げます。
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